ヴァーチャル両足院は、物理的な場所性を超えたお寺が可能にするコミュニケーションを追求することで、多元的なお寺のあり方を探るプロジェクトです。
文化財アーカイブとしてのヴァーチャルではなく、お寺で提供してきたコミュニケーションを物理的な場所性を超えて提供していくという試みです。
つまり、ヴァーチャル両足院は両足院の架空なるヴァーチャルではなく、地続きに確かに存在するデジタルテクノロジーによって構築された、両足院の異なる側面です。
昨今話題を呼んでいるメタバースという言葉の表現するところでは、現実に代替えされる三次元空間がヴァーチャル空間として展開されることを表しますが、ヴァーチャル両足院では、複製された架空の世界ではなく、確かに存在する世界を異なる視点、スタンスで観察することで多様なあり方があると認識し、多元なる側面を持つという理解からマルチバースを構築します。